2017.07.10 2人の音楽家の世界観
7/8(土)我がホームライブハウスP’s Barで、ピアニスト永見行崇さんとのデュオ演奏でした。
私は毎回、演奏に何かしらのテーマを持たせるようにしているのですが、
今回のお題は“ジョビンとリラ”。
言わずもがなのボサノバのマエストロ、アントニオ・カルロス・ジョビン
とカルロス・リラのみを演奏してみようと思い立ったのでした。
2人はどちらもカリオカ(生粋のリオっこのこと)。そして、とてもハンサムさん。
頭が良くて、楽器が出来て、歌が歌えて、あんな素晴らしい曲が作れて・・・
若かりし頃はさぞモテモテだった事でしょう。
そんな2人の恋の曲、カーニヴァルの曲などなど、その世界観を比較しながら演奏してみました。
面白いなあ、と感じたのは、カルロス・リラの曲はちょっと強気で陽気、
方やジョビンは線が細くて、影の要素が強いかな、と。
歌詞はヴィニシウスや他の人が書いてるとしても、曲の要素、世界観はどうやらそんな感じなのです。
“僕の美しい恋人になりたいのなら・・”と歌うリラの“Minha Namorada”、
“君の為なら何でもするよ。道化になったっていい”と歌うジョビンの“Bonita”。
“カーニヴァルが終わり、歌も聴こえない・・それでも歌おうじゃないか”とリラ。(Marcha da Quarta feira de cinzas)
“終わらぬ悲しみ、儚い幸せ”と歌うジョビン。(A Felicidade)
同じ恋の曲、カーニヴァルの後の曲でも、こんな風に違うんだ、面白いな、と演奏してました。
私は・・やはりジョビンサイドの世界に近い気がします。影に惹かれる性質なので(笑)
この日は古くからの友人たち、いつも応援して下さる皆さん、飛び込みで入ってきてくれたロシアの
可愛いお嬢さん(みんなから質問攻めにあってましたー。笑)沢山の方がお越しくださいました。
最後の数曲、サプライズで遊びに来てくれたクロマチックハーモニカ奏者matsumonica氏がジョイン!
予想外のトリオ演奏で終了しました。楽しかった〜!
皆さま、モニカ兄さま、有難うございました!!
演奏をする時、いつも物語のように音楽を紡いでいきたいと思ってます。
都会の夜に森の光を見るような、地下のお店に海の風を感じるような。
手の中に、誰かの手のぬくもりを感じるような。
いらしてくれた皆さんが、音楽から、MCから、それぞれの素敵な物語を作ってくれたらいいな、
そんなことを思いながら演奏しています。
色々な制約がある世界ですけど、その人の中はどこまでも自由ですもんね。
私もそうであり続けたいです。