2017.07.04 褪せることのない美しさを追いかけて
6月最後の演奏は、池袋の気取った〜以下略(笑)P’s Bar。
月末、そして週はじめ月曜日にもかかわらず、沢山の方にお運びいただきました。
初めての方、お久しぶりの方、いつも聴いてくれてる方・・有難うございました!
この日は敬愛する2人の先輩ミュージシャン、ギタリスト須古典明さんと、
クロマチックハーモニカmatsumonicaさんとのトリオ。
今回のテーマは“スタンダード・ナンバー特集”でした。
Fotografia por KANI-san
前回の国立でのフルート奏者満島貴子ちゃんとの演奏で、ちょっと話題になったのです。
“最近、あんまりスタンダード曲って演奏してないよね”と。
う〜ん、確かにそうかも。
あまりにも有名で、あまりにも繰り返されてる曲たち。
なんか改めて“特集”として演奏するのは、気恥ずかしいというか面映いというか・・・
お客様も新しい曲を求めてるんじゃないかしら??とか考えてしまい、ちょっとご無沙汰してました。
スタンダード、と曲をピックアップしてると、やはり圧倒的にジョビンの曲が多くなります。
言わずもがなの名曲“Garota de Ipanema”、“Corcovado”、“Desafinado”、“Samba de uma nota só”、“Chega de Saudade”・・
なんと多くの名曲を、ジョビンは生み出してきたんでしょう。
当日はこれらの曲に、若かりしジョアン・ジルベルトが小声で歌う練習していたという逸話の“O Pato”
私が初めて練習したサンバの曲、ノエル・ホーザの“Palpite Infeliz”、演奏する度、美しいなあと感じる
“Estate”などを交えて演奏しました。
演奏終了後、お客さまから、「スタンダード・ナンバーがとても新鮮に聴こえました」
との嬉しいお言葉をいただきました。
そうなのです。
このお二人にかかると、聴き慣れた曲、弾き慣れた曲がどんどんブラッシュアップされていくのです。
お二人共、確固たる源流を持ちながら、そこから拡散し、弾ける感じ。
自由に自由にどこまでも流れていったり、ふと止まって静かに満ちていたり。
息が合ってる、とのお言葉もいただきましたが、このお二人が私の歌の呼吸や感情に寄り添い、
時にリードしてくれ、流れを潤滑にしてくれてるのです。
素晴らしき先輩たちに感謝!です。
スタンダード・ナンバーを演奏するということ。それは旧知の憧れのひととお喋りしているようです。
馴染んでいるからこその親しさ、親しいからこそ必要な礼儀正しさ。
いつも何回逢っても、はっとさせられる新鮮さと美しさ。
私は毎回、リラックスと同時に、ぴりりと緊張します。
そしてその美しさは常に先をいっていて、憧れと、その美しさを捕まえられない
もどかしさが募ります。
だからこそ、「次は、いつかは」と追いかけてしまうのでしょうね。
どんなに時を経ても、手垢にまみれても、決してその輝きを失わないスタンダードの名曲たち。
また近々再演したいと思います。
その時は、もう少し繊細なことまでお話できますように。
その美しさを、少しでも捉えられますように。